Wednesday, March 2, 2011

田川博己

旅とは「日常の生活から離れ、普段は見られない資源、体験、文化、そして生活に触れることで、感動や感銘、発見、心身の癒し等を得る」ことです。いわば時間が価値を持つ無形の消費活動です。そして、旅の喜びは万人一律ではなく、旅行者は一人ひとりがわが身に照らして感じるものであり、「自己を見直し、発見する活動」と言ってもいいでしょう。

さらに、旅を通じた感動や発見は、思い出として次の感動を求める“いきがい”につながり、日常生活や生産活動への活力源となるはずです。

ただし、こうした旅を通じた感動や発見は、ただ漠然と旅の時間を消費しているだけでは見逃すことになりがちです。そのためにも旅先や地域に対する好奇心は重要であり、その好奇心が旺盛なほど得られる感動や発見は大きいはずです。

それぞれの国における文化、環境、伝統、宗教、さらには生活様式等、テレビやインターネット等によって何でもどこでも見られる時代であっても、生身の五感を通じて得られる感動に勝るものはありません。

1 comment:

  1. 文藝春秋 2011年2月号
    田川博己 『若者に伝えたい「旅の力」』

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