Friday, April 13, 2012

有馬哲夫


指令:讀賣新聞社主ノ正力ト協力シ、親米世論ヲ形成セヨ。CIA文書が語る「対日情報戦」の全貌!

一九五四年の第五福竜丸事件以降、日本では「反米」「反原子力」気運が高まっていく。そんな中、衆院議員に当選した正力松太郎・讀賣新聞社主とCIAは、原子力に好意的な親米世論を形成するための「工作」を開始する。原潜、讀賣新聞、日本テレビ、保守大合同、そしてディズニー。正力とCIAの協力関係から始まった、巨大メディア、政界、産業界を巡る連鎖とは――。機密文書が明らかにした衝撃の事実。

2 comments:

  1. 原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史―

    by 有馬哲夫

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  2. 池田信夫 blog (旧館):

    本書では原発が中心になっているが、著者の前著『日本テレビとCIA』とあわせて読むと、冷戦の中でメディアとエネルギーを最大限に政治利用した正力松太郎という怪物が、現在の日本にも大きな影響を残していることがわかる(これは『電波利権』にも書いた)。正力は暗号名「ポダム」というCIAのエージェントで、米軍のマイクロ回線を全国に張りめぐらし、それを使って通信・放送を支配下に収めるという恐るべき構想を進めていた。

    この「正力構想」はGHQに後押しされ、テレビの方式はアメリカと同じNTSCになったが、彼が通信まで支配することには電電公社が強く反対し、吉田茂がそれをバックアップしたため、正力構想は挫折した。しかし、そのなごりは「日本テレビ放送網」という社名に残っている。そしてGHQが去ってからも、正力はCIAの巨額の資金援助によって「反共の砦」として読売新聞=日本テレビを築いた。同じくCIAのエージェントだった岸信介とあわせて、自民党の長期政権はCIAの工作資金で支えられていたわけだ。

    正力が原子力に力を入れたのは、アメリカの核の傘に入るとともに、憲法を改正して再軍備を進めるためで、最終的には核武装まで想定していたという。しかしアメリカは、旧敵国に核兵器をもたせる気はなく、正力はCIAと衝突してアメリカに捨てられた。しかし彼の路線は、現在の渡辺恒雄氏の改憲論まで受け継がれている。こうした巨大な政治力を使えば、電波利用料で1000倍の利益を上げるなんて訳もない。

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