Sunday, September 26, 2010

岩田靖夫

神が唯一、絶対なる者であるように、その似姿である人間も、一人一人が唯一、絶対なる者なのである。
このことの意味は、いかなる分類原則にしたがうにせよ、人間を類的普遍者として一括してはならないという点にある。
『自由な者』であるということそれ自体が、そのような存在者には類的普遍者などというものはありえないということことを含意している。
このことを無視して、人間を理想によるにせよ、思想によるにせよ、宗教によるにせよ、イデオロギーによるにせよ、類的に全体化して一括統制することが、二〇世紀に荒れ狂った全体主義なのである。
一人一人がみな異なった絶対者なのだ。

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