日本人は均一性を欲する。大多数がやっていることが神聖であり、同時に脅迫である。
人間は、自然によって生かされてきた。古代でも中世でも自然こそ神々であるとした。
このことは、少しも誤っていないのである。
人間は決して、孤立して生きられるようには、作られていない。
勇気と決断と、行動力さえもちあわせておれば、あとのことは天に任せればよい。
いわば日本じゅうが、“普請中”という落ちつかない家の中に住んでいる。
このため、秩序ある美しさにあこがれる若い娘たちは、安定期をむかえた---たとえば国内では京都や津和野のような---よその家をのぞきこみする旅をよろこぶ。彼女たちのヨーロッパ旅行も、基本的にはそういう心理にちがいない。
はたして1億人以上の人間をまとめて日本人と呼ぶことにどんな意味があるのだろう。
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