Sunday, October 31, 2010

梶山恵司、戸矢晃一

日本は「木の国」「木の文化」と言われ、誰もがそう信じてきた。神社仏閣や古民家などの木造建築は、まさに日本の木の文化の象徴そのものである。これに対し欧州では基本的に歴史的建造物は石造りであり、日本と対比させれば、石の文化ということができるだろう。
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日本の過去は確かに木の文化だったと言えるが、果たしてそれが現代にも継承されているかどうかは別問題である。
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日本の住宅の平均寿命は30年に過ぎず、このような木の使い方と、数百年も続く建造物を作ってきた伝統的な木の文化とを同列に置くことはできない。また、最近では伝統的な木造工法とは言いながら、木質ボードで壁を張って柱を隠す大壁工法の普及によって、木の家を直接感じることができる家が少なくなっている。
日本では、戦後、森づくり・木材利用ともに単純化しており、木の文化はむしろ衰退してしまったのではないだろうか。

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