Saturday, June 23, 2012

ほどよい司書

図書館とその専門職である司書に必要性が客観的に存在しないのであれば、そのことについていくら主張しても意味はない。
また、図書館で仕事をし、そこの司書である人間は、普通、当然、必要だと思っている。ただ、生活のためだけに仕事をしているのではなく、それが社会にとって必要だと思っている人間ならなおさらである。
図書館の人間が、図書館の必要性や司書の必要性を主張すると、それをすぐ保身だと言う人がいるが、そうではなく、図書館が好きで本当に必要だと思っているからである。
なぜか。
今のたいていの公立図書館の職員にとって、仮に図書館が廃止されたり、司書の職が廃止されたりしても、本当に困るかというと困らないのである。
私も生活という面では困らない。
なぜなら、私は司書の資格を持っているが、私の自治体は、司書の専門職採用をしておらず、私は一般事務職である。だから、図書館がなくなったところで、他部門へ異動すればいいだけの話で、失業するわけではない。

2 comments:

  1. 図書館と司書の必要性は誰が決めるのか

    by ほどよい司書

    ほどよい司書の日記

    http://moderate.cocolog-nifty.com/hodoyoi/2007/01/post_6602.html?cid=71596029#comments

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  2. 図書館と司書の必要性は誰が決めるのか

     図書館とその専門職である司書に必要性が客観的に存在しないのであれば、そのことについていくら主張しても意味はない。
     また、図書館で仕事をし、そこの司書である人間は、普通、当然、必要だと思っている。ただ、生活のためだけに仕事をしているのではなく、それが社会にとって必要だと思っている人間ならなおさらである。
     図書館の人間が、図書館の必要性や司書の必要性を主張すると、それをすぐ保身だと言う人がいるが、そうではなく、図書館が好きで本当に必要だと思っているからである。

     なぜか。

     今のたいていの公立図書館の職員にとって、仮に図書館が廃止されたり、司書の職が廃止されたりしても、本当に困るかというと困らないのである。
     私も生活という面では困らない。

     なぜなら、私は司書の資格を持っているが、私の自治体は、司書の専門職採用をしておらず、私は一般事務職である。だから、図書館がなくなったところで、他部門へ異動すればいいだけの話で、失業するわけではない。

     司書の専門職制度を持っている数少ない自治体が、仮に図書館をなくしたとしても、職種の転換を行えばいいだけの話である。強引なことを言えば、分限免職という方向性もこれからは出てくるだろうが、一方で、そうはなかなかならない事情もある。

     なぜか。

     今は公務員が多すぎると言われている。それで、どんどん削減されているが、やがて公務員が少なくて困る時代がやってくる。
     増大する福祉部門の公務員が少なすぎて困る時が来つつある。
     だから、指定管理者導入や委託で浮いた職員は、福祉部門につぎこまれる。
     もちろん、そういうところでも悪の人買い屋が活躍するので、正規の公務員は減るだろう。でも、今、現在、正規の公務員をクビにするのは大変である。それで、ミッチーのお子さんが、行革担当になり、突破者として、公務員制度を変えようとしているわけだ。

     やがて、失業した公務員が社会問題になるだろう。なぜかというと、テロだの事件だの革命騒ぎを起こしまくるだろうから。まあ、その対策として、憲法改正して自衛軍に入れるんだろうな。江戸幕府の武士が軍隊や警察に行ったように。そんなことすれば、ニートが行くところがまたなくなってしまうだろうに。

     話がそれた。

     いずれにしろ、図書館職員が失業することを恐れて、民間委託や指定管理者制度導入に反対しているわけでは実はない。
     いや、もし、そんな危険があるなら、みんな、もっと死に物狂いで反対し、自分の図書館のサービス向上に邁進するだろう。そういう危機感がないから、「困ったねえ」くらいで済ませているのだ。
     むしろ、図書館など、役所では左遷部署なので、左遷された使えない人間が、こんなところは要らないんだと声高に叫んでいる日常である。
     本当は、「あんたが要らないのだ」と言ってやりたいところである。

     民間に、図書館の職を開放なんていうのは実はくだらない。

     なぜかというと、儲からないからだ。

     儲からないことを企業がやってどうするのだ。

     少なくとも、現場のスタッフにとってはいいことは何もない。

     民間に開放とやらで儲かるのは、人材派遣とかいう人身売買の会社だけだ。

     図書館やそこの専門職の必要性は、本来、住民が決めることである。住民の代表である首長や議員が、図書館なんかそこそこでいいと言っているんだから、それでいいではないかというのはひとつの考え方である。

     実際、住民の図書館認識が日本の図書館の程度を決めている。

     いくら、首長や議員の悪口を言ったところで、それは、住民の程度の反映なのである。アメリカやイギリスや北欧で図書館なんか適当でいいなんていう住民はそうそういない。それは、現にいいサービスを受けているからでもあるが、いいサービスを期待して、そういう政策を展開するところを行政にすえるから、図書館が発展していくのである。

     日本はその逆のスパイラルになっている。

     哀しい。

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