福島第一原発 資材班: 現金が不足しております。申し訳ありませんが現金をお持ちの方、貸していただけないでしょうか?よろしくお願いします。
本店 小森明生常務: あと、今日は、ヘリコプターで飛ぶ人いるのかな。え、ヘリコプターで飛ぶ人、誰、誰ですか。役割は現金。
ナレーション: 電源は失われ、2号機と3号機にもせまる、メルトダウンの危機。原子炉を冷却するためには、車のバッテリーをつなぎ合わせて、弁を動かすしかなかった。 しかし、命綱のバッテリーを買う現金すらなかったのだ。 ようやく10時間後。
本店: 本店から、相当多額のお金を持って、オフサイトセンターにひとり、向かわしています。オフサイトセンターに現金がある、状態が今晩ぐらいから生まれるので、ご活用ください、お願いします。
福島第一原発 吉田昌郎所長: それは、借用書を書けば貸してくれるということですね。
本店: 信用貸しといたしましょう。
福一第一原発 吉田昌郎所長: はい、はい、わかりました。
本店: お願いします。
福一第一原発 吉田昌郎所長: ありがとうございます。
ナレーション: ところが、すでに福島第一原発から20km圏内には、避難指示が出ていた。近くには空いている店は無かった。
福島第一原発 資材班: 私どもも、地元で調達しようというふには努力しているんですが、なんせいわきに行くまで6時間くらいどうも今かかっているようなので、ぜひ本店さんにもご協力していただけたらと思いますので。
福島オフサイトセンター: 今日、うちの方で、いわき方面に、バッテリー買いに行ったんですけども、どこも買えませんでした。
福島第一原発 資材班: 明日また買い出しに行きますので、ホームセンター等で手に入るような物で、何かご希望の物があれば、リストを持って、あのまあ口頭で構いませんから、資材班の方までお越しください。
ナレーション: 物資の補給は、ホームセンターへの買出し。世界最悪の原発事故現場とは思えないやりとりが続く。第一原発ではすでに1号機が爆発、2号機でも原子炉を冷やすため、海水を注入する必要に迫られていた。しかし、内部がさび、廃炉になる可能性があるため、東京電力にとっては最後の手段といえた。
報道陣: 苦渋の決断ということでしょうか?
本店 小森明生常務: とにかく安全を、今できることをやるということで、そちらを最優先という判断。
ナレーション: 東電幹部は、あくまで安全確保を優先し、海水注入をためらうことはないとしていた。だが、実際は。
本店 復旧班: あの、本店から、差し出がましいんですけど、あの、2号のですね、海水からいきなりやるようなふうに聞こえてきていて、あの、これは。
福島第一原発 吉田昌郎所長: 海水からやりますよ。
本店 復旧班: いきなり海水っていうのは、そのまま材料が腐っちゃったりしてもったいないので、なるべくねばって、真水を待つという選択肢もあるというふうに理解していいでしょうか。
福島第一原発 吉田昌郎所長: え、理解していけなくて、今から真水というのはないんです。時間が遅れます、また。言いたいのは、あの、真水でやっといたほうが、要するに塩にやられないから、あの、後で使えるということでしょ。
本店 復旧班: はい、そういうことです。
ナレーション: この期に及んでも、第一原発を再び使おうと考えていた、東電本店。これに対し、吉田所長は。
福島第一原発 吉田昌郎所長: 圧倒的に、多量必要な時に、やっぱり真水にこだわっていると、えらい大変なんですよ。
本店 復旧班: はい。
福島第一原発 吉田昌郎所長: この状況で行けば、海水でいかざるを得ないと考えている。
ナレーション: それでも諦めきれないのか、東電本店側は、一時間後にも。
本店 復旧班: いかにも、もったいないなって感じがするんですけどもね。
福島第一原発 吉田昌郎所長: いや、もう、今から、あの、水源切り替えてたら、それこそ時間がいくらあっても足りないということ。
ナレーション: 他にも、ビデオによって浮き彫りになった姿があった。
ニュース・キャスター: もうひとつニュースが入りました。福島第一原発の3号機で、先程、午前11時1分、水素爆発が発生しました。
ナレーション: 3月14日、3号機が爆発した直後、東電本店内では。
本店 非常災害対策室: 本日、11時1分、3号機原子炉建屋で、再度大きな、まあ、これ再度はいらないですね、大きな音が発生し、。。。。で停止ました。
ナレーション: 1号機に続く建屋の爆発。広報文や会見でどういう言葉で表現するのか、迫られていた。
本店 高橋明男フェロー: 要はさ、1号機を3号機に変えただけだってんでしょ。それで、えーと、水素爆発かどうかわかんないけれど、国が、なんか保安院が、水素爆発と言っているから、もういいんじゃないの、この水素爆発で。
本店 非常災害対策室: はい、可能性ということで、はい。
本店 高橋明男フェロー: 保安院がさ、さっきテレビで水素爆発と言っていたけど。保安院のやつはやってたと思うんだけど、ちょっと、歩調を合わしたほうがいいと思うよ。
本店 非常災害対策室: じゃあ、水素爆発だけで、絞って。
ナレーション: 最後は、清水社長が後押しした。
本店 非常災害対策室: いかがでしょうか。
本店 清水正孝社長: はい、あの、いいです。これでいいから、もうスピード。ゴーサインでスピード勝負。
ナレーション: そして、実際、この直後に開いた会見では。
本社 吉田薫広報部長: 実際にどこが爆発をしたかについては、確認をしておりますので、確認が出来次第、速やかにご報告申し上げます。えー、また、この爆発、水素爆発ということでございます。
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