Tuesday, November 24, 2009

梅田望夫

従業員一万人の企業といえば立派な大企業であるが、この企業が一日稼動すると八万時間が価値創出のために使われる計算になる。「一万人×八時間」の人数を増やしながら、時間を短くしていくとどうなるだろう。十万人から四十八分ずつ時間を集めることができれば八万時間になる。百万人ならば一人四分四十八秒でいい。一千万人なら二十八・八秒。一億人ならば三秒弱である。つまり従業員一万人の企業の社員が持つ一日フルに働くのと同じ価値を、ひょっとしたら一億人の時間を三秒づつ集めることでできるかもしれないのだ。
「(≒無限大)×(≒無)= Something」
放っておけば消えて失われていってしまうはずの価値、つまりわずかな金やわずかな時間の断片といった無に近いものを、無限大に限りなく近い対象から、ゼロに限りなく近いコストで集積できたら何が起こるのか。ここに、インターネットの可能性の本質がある。

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