ワンさんの最近の口癖は 「日本は必ず滅びる」 だそうだ。これは日本が嫌いだから言ってるのではなく客観的にそう思うのだと言う。ワンさんは初めて日本に来た当時の日本人と今の日本人の差を猛烈に感じているという。日本はもはやほとんどの分野で市場が縮小している。例外は介護と医療の分野くらいだろう。何とか保たれている市場もその担い手は団塊の世代だから先は見えている。で、国内市場が飽和状態になったら当然、日本企業は海外に市場を求める。そうしないと生き残れないからだ。でも日本企業の海外進出は別に今に始まった話ではない。ジャパニーズ・ビジネスマンは世界を股にかけ製品を売りまくっていたのである。だがそんな海外志向の日本人も今は昔、新入社員にアンケートを取ると海外に赴任しても良いと答える若者の割合は年々低下し今や3割程度しか居ない。日本の多くの若者は国内志向、つまりドメスティックになっているのである。ワンさんに言わせるとこういう若者が多数派になった時点で日本は終わりだそうだ。
若者がドメスティックになり日本は滅ぶ
ReplyDeleteby シャルル・パナール博士の異常な愛情
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今月末に高校の後輩連中と恩師はインドに旅行に行く。
私も誘われたが丁寧にお断りした。
時間はともかくとして経済的なゆとりがない。
と言うよりいくら経済的に裕福だろうとインドは勿論、何処の国であろうと別に行きたくないからである。
ここ5,6年の話だが私はどんどんドメスティックな人間になっている。
海外より国内が良いし他地方より関東が良いしそれも埼玉県が良い。
仕事以外で地元から出ることは滅多にないしもっと言うと家に居たい。
いや、自分の部屋に居たいのである。
こうなった最大の原因は絶対にインターネットだろう。
今やこれさえあれば何でも出来る。
部屋に居ながら仕事が出来るし買い物が出来るし動画が観られるし音楽が聴けるし情報が集められるし私はやらないがゲームも出来る。
こうして今、思っていることを文章に書いて広く発信できる。
自分の部屋に居ながら世界の情報が分かる。
若者の間で海外旅行が廃れたのもやむなしと私は思っている。
最近、兄のビリーと会って話したんだが興味深い話を聞かせてくれた。
兄の仕事関係の顧客に中年の中国人男性がいるそうだ。
仮に名前をワンさんとしよう。
ワンさんは1968年と言う昭和元禄に日本に留学生としてやってきた。
当時の日本と中国では月とすっぽんほどの開きがあり全てがカルチャーショックだったという。
大学を卒業後、ワンさんは日本の企業に勤め日本の高度経済成長に合わせ一生懸命働き、一財産築き上げセミリタイヤしたという。
そんなワンさんの最近の口癖は
「日本は必ず滅びる」
だそうだ。
これは日本が嫌いだから言ってるのではなく客観的にそう思うのだと言う。
ワンさんは若かりし自分が日本に来た当時の日本人と今の日本人の差を猛烈に感じて居るという。
特に若者に対して。
繰り返しになるが日本はもはやほとんどの分野で市場が縮小している。
例外は介護と医療の分野くらいだろう。
何とか保たれている市場もその担い手は私の親の世代(団塊の世代)だから先は見えている。
本来、若者が担い手になる市場と言うのはほとんど縮小に向かっている。
日本の若者はもう消費志向ではないから。
で、国内市場が飽和状態になったら当然、日本企業は海外に市場を求める。
そうしないと生き残れないからだ。
でも日本企業の海外進出は別に今に始まった話ではない。
戦前からそうだし戦後の高度経済成長を支えたのは国内市場の伸びもあるが世界中に輸出攻勢を仕掛け成功したからでもある。
ジャパニーズ・ビジネスマンは世界を股にかけ製品を売りまくっていたのである。
私の母方の祖父がその典型で恐らく世界30カ国は行ってると思う。
祖父が亡くなった時、私には遺品として世界各国のコイン一山が残された。
だがそんな海外志向の日本人も今は昔、新入社員にアンケートを取ると海外に赴任しても良いと答える若者の割合は年々低下し今や3割程度しか居ない。
私がそうであるように、日本の多くの若者は国内志向、つまりドメスティックになっているのである。
もっと言えば国内であっても転勤を嫌がると思う。
前述のワンさんから言わせるとこういう若者が多数派になった時点で日本は終わりだそうだ。
今、経済成長が著しい中国やインドの若者がドメスティックだとは私は到底思えない。
4月に日本に短期留学に来たインド人一行は非常に意欲的だったからだ。
私の後輩たちも決して遊びだけではないがインドでの経験をその後自分の仕事に大きく生かせるかは疑問である。
と言うよりこの企画に現役の大学生は誰一人乗らなかった。
お金がないってのもあるだろうが・・・
海外に積極的でないのと同じように出世に対しても最近の若者は意欲的ではないだろう。
と言うより私の世代でもうこの出世志向ってのはなくなっていた。
当時も上の世代から気味悪がられ批判されていたと思う。
2005年頃にこうした若者は下流志向と名づけられたが当たっている。
こうした若者が出てきた理由は前述のインターネットもそうだが
全ての分野で効率を求めた結果だろう。
効率とは二つあって
費用対効果と労力対効果
である。
そんなお金かけてまではいらない・・・
そんな労力がかかるならいらない・・・
って話だ。
こういう価値観が支配する社会では高級ブランド品や自動車やオートバイ、まして旧いもんや割高でトラブルが多い輸入車など売れない。
何かと面倒な恋愛も下火になる。
売れるのは安く高品質でエコな物で流行るものはイージーでバーチャルな代物である。
最近の若者を「さとり世代」と言うらしいがなかなか言いえて妙である。
物欲も性欲もなく実にストイックで確かに悟っているように思える。
だが世の中は別に悟りを開いた偉い宗教家が支配しているのではない。
世の中は資本主義社会であり人間を支配しているのはお金でありその原動力は
欲望
であり
競争原理
である。
欲望に希薄なさとり世代が厳しい実社会に出てやっていけるか?私には甚だ疑問である。
昨今、また大学生の就職戦線が厳しさを増しているが恐らくこの時点で振り落とされてしまうだろう。
世の中で最も重要なことは
素質と意欲とバイタリティ
だからである。
テクニックなど後から付いてくるもんだ。
意欲とバイタリティはないが素質がありテクニックに秀でた人材など企業は採用しない。
と言うのはこの手の輩は絶対に直ぐに会社を辞めてしまうからである。
それは実際に数字に現れており新卒で採った社員の6割が3年以内に辞めてしまう。
これは私がそうだったし私の周りもそうである。
正直言って転職なんて新しいことを覚えるのが面倒だしそれ程良いもんじゃない。
3年前、職場に面白い大学生がアルバイトで来た。
和歌山県から大志を抱いて上京して来たこ生意気な男だったが多分に昭和的であり向上心ありまくりでありさとりとは正反対だった。
今年の4月にこの男から私の携帯に一報があり、地方のキー局から内定をもらったとのこと。
他にも大手有料テレビ局からも内定をもらっていた。
総務のマダムはこの男を偉く気に入っており
あなたは就活には困らない!!
と太鼓判を押して定年退職した。
マダムの予言は大当たりだった訳だ。
周囲の苦戦をよそにこの男は「就活が楽しくて仕方ない」と笑顔で話していたのが今年の3月の話である。
そう、マスコミ、しかもテレビ局なんて今も昔もバイタリティと意欲のある人間しか採らん。
旧世代の人間に
僕はさとり世代ですから・・・
なんて言っても通用しないのである。
冒頭書いたように現在の私はドメスティックな人間であり多分にさとり的である。
だがそうなった経緯は違うだろう。
私は早熟型の人間であり子供の頃色々吸収し過ぎその後は生き急ぎその結果、若干19,20で疲れがドッと出ただけの話だ。
私は実年齢は31だが実際には70歳の老人のように感じる時がある。
私には姪が一人居るのだが姪と言うより孫のように感じるから。
と言う訳でさとり世代の気持ちってのもあんまり良く分からない。
理解できるのは中国人のワンさんの話で、確かにあの頃の日本社会や自分はとっても元気だったなぁってことだ。