Wednesday, September 8, 2010

日高敏隆

それぞれの種の1つ1つの個体が自分自身の子孫を殖やしていこうとするので、それは当然シェア争いになる。なぜならその種が生きていける条件をそなえた場所は限られているからである。だとすると、自然はこのような果てしないシェア争いの場であって、けっして調和のとれた場所ではない。 。。。 しかしそこには、強弱の問題や、競争コストの問題があるから、一定のところで妥協点に達せざるを得ない。この妥協した状態をわれわれが外から見ると、それは一つの「調和」のようにみえる。
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自然が果てしない競争と闘いの場であるなら、「自然にやさしく」というとき、いったいそのどれにやさしくしたらよいのだろうか?どれかにやさしくすれば、その相手には冷たくしていることになる。

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