2015年に弘法大師空海の開創から1200年を迎え、長い伝統を誇り、総本山・金剛峯寺が世界遺産に登録されている宗教法人「高野山真言宗」で、資金運用をめぐり6億8900万円の損失を出したとして、議会に相当する「宗会」が、実務トップの庄野光昭宗務総長(70)への不信任案を小差で可決し、庄野宗務総長が27日、宗会を解散した。解散は初めてではないが、不信任案可決とともに、1952年に宗教法人化されて以来は一度もなく、極めて異例の事態となった。
宗会は26日から5日間の予定で始まったが、初日から庄野宗務総長への不信任案が提出される波乱となった。資金運用をめぐる6億8900万円の損失について責任を問うもので、『粉飾』の文言が使われ、人為的な会計操作があったとする内容だという。
宗会は僧侶による議員37人で構成され、非公開で宗団運営の予算審議などを行う。この日は2人欠席で、不信任案の無記名採決は18対17と、わずか1票差で可決した。庄野宗務総長は「(粉飾などの)その事実は一切ない」として辞職せず、27日に宗会を解散した。
宗団は02年から証券会社に資金運用を任せ、従来は30年満期など長期商品が多かったが、短期のものも購入もするように。02~12年にかけ、一部の損失が6億8900万円になったが、一方で約16億円の運用益があり、最終的に合計約9億200万円の利益があるという。
運用資金にはさい銭やお布施も含まれ、運用益は総予算に組み入れられて、宗団の運営経費や災害基金などに分配される。
宗会解散後、50日以内に全国10地区から選出される定数27人の選挙を行うことが定められている。議員37人中、残る10人は宗務総長が改めて選任する。一方、宗務総長は議員ではなく、解散しても失職しない。1期4年で、2期目の庄野宗務総長は14年7月4日まで任期がある。
高野山真言宗、解散“僧”選挙 資産運用損益巡りお家騒動
ReplyDeleteスポーツ報知
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20130227-OHT1T00182.htm
総本山・金剛峯寺(こんごうぶじ)が世界遺産に登録されている宗教法人「高野山真言宗」(和歌山県高野町)で、資金運用をめぐり6億8900万円の損失を出したとして、議会に相当する「宗会」が、実務トップの庄野光昭宗務総長(70)への不信任案を小差で可決し、庄野宗務総長が27日、宗会を解散した。解散は初めてではないが、不信任案可決とともに、1952年に宗教法人化されて以来は一度もなく、極めて異例の事態となった。
2015年に弘法大師空海の開創から1200年を迎え、長い伝統を誇る高野山真言宗で、カネをめぐる“お家騒動”が勃発した。
総長公室によると、宗会は26日から5日間の予定で始まったが、初日から執行部「内局」のトップ・庄野宗務総長への不信任案が提出される波乱となった。資金運用をめぐる6億8900万円の損失について責任を問うもので「『粉飾』の文言が使われ、人為的な会計操作があったとする内容」(総長公室)だという。
宗会は僧侶による議員37人で構成され、非公開で宗団運営の予算審議などを行う。この日は2人欠席で、不信任案の無記名採決は18対17と、わずか1票差で可決した。庄野宗務総長は「(粉飾などの)その事実は一切ない」として辞職せず、27日に宗会を解散した。
宗団は02年から証券会社に資金運用を任せ、従来は30年満期など長期商品が多かったが、数年で満期となる短期のものも購入もするように。02~12年にかけ、一部の損失が6億8900万円になったが、一方で約16億円の運用益があり、最終的に合計約9億200万円の利益があるという。
運用資金にはさい銭やお布施も含まれ、運用益は総予算に組み入れられて、宗団の運営経費や災害基金などに分配される。宗団では、東日本大震災、紀伊半島豪雨災害などへの義援金寄付や社会福祉事業も行っている。
宗会解散後、50日以内に全国10地区から選出される定数27人の選挙を行うことが定められている。議員定数37人中、残る定数10人は宗務総長が改めて選任する。一方、宗務総長は議員ではなく、解散しても失職しない。1期4年で、2期目の庄野宗務総長は14年7月4日まで任期がある。
宗団内に亀裂が生じた格好で、国会のように派閥争いが原因ではとの見方も浮上するが、総長公室は「明確ではございません」と答えた。
◆高野山真言宗 平安時代初期、弘法大師(空海)が遣唐使として唐で密教を学び、帰国後、弘仁7年(816年)に開いた真言宗の一宗派。1952年に宗教法人として認証された。真言宗は他に17の主要門派がある。なお、高野山は和歌山県高野町の山々の総称で、2004年に山内の6つの建造物参詣道「高野山町石道」がユネスコの世界遺産に認定。かつては修行の妨げになるとして女人禁制。