『中学生までに読んでおきたい日本文学① 悪人の物語』(松田哲夫編 あすなろ書房 1800円+税)は、「悪」をテーマにした、詩、小説、エッセイ等のアンソロジー。どれも教科書には入りにくい作品である。
小、中学生はふだん、「不道徳」や「悪事」に特別強い関心を持っている。だが公的にはそうしたマイナーな視線は目かくしされてしまう。結果一人でせっせとその手の映画や書籍を漁ることになる。それでいい。かく言う後期高齢者の、すでに彼らのじいさんの年齢である僕も、未だにそっちの方面に惹かれ、あれこれ漁り続けている。そんなわれわれにとって、これは貴重な本だ。
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