Saturday, May 28, 2011

嵐山光三郎

『電気を節約しよう』といっているから、あのCMが出るたびにテレビの電源を切った。ACのCMにいら立つのはやたらと親切だとか思いやりとかの道徳をふりかざすからだ。公共広告機構というのは、道徳おしつけ協会で、この非常時に及んで大きなお世話である。

東日本大震災は『千年に一度』の大震災だというから千年前にはなにがあったかと調べると『源氏物語』が書かれた時代だった。ははあ、源氏は原子のことで、『原子物語』ってわけか。光るウランが数多の女たちを被曝させていった。桐壺が一号炉で、帚木が二号炉、空蝉が三号炉、夕顔が四号炉、以下五十四帖あるから、いまある原子炉と奇しくも同じである。紫式部が千年後の日本を予知して原子を源氏とおきかえて書いたとすれば、超能力のなせる技だ。

悲惨な状況に必死で耐えることを賞賛されるのは、声をあげて叫ばない民族だと見なされている次第で、危険事態を外国メディアが代弁すると『風評被害』として片づける。 。。。 政府の対応の遅さが原発被害の拡大を招いているのに、日本人は『仕方がない』とあきらめている。

強者に対して弱すぎる。原爆を落とされて、『ああ許すまじ原爆を』と謳っても、平和利用という名目を与えられると『ああ許すまじ原発を』とは謳わない。原爆の恐ろしさを知ったから、平和利用ということで、逆に『原発』を信仰してしまった。 。。。 値の安い原発のおかげで電気をジャブジャブと水道水のように使って安逸な生活をしてきた。そのしっぺ返しがきた。

No comments:

Post a Comment