Wednesday, June 13, 2012

haijin22

(江戸時代に「愛する」という言葉はありましたか?)
江戸時代には「恋愛」ではなく「色恋」というものだという話を聞いたことがあります。佐伯順子さんという研究者が詳しく述べていると思います。もっとも「色恋」も「愛することと同じ」ととれば区別はないことになりますが。
また家族愛などという概念があったとは考えにくいでしょう。「情」という言葉こそふさわしかったと思います。
「愛」という漢字には諸橋「大漢和辞典」によれば14種類の意味があり、「あはれむ」とか「をしむ」などがあります。よく「読んで字のごとし」といわれますが、日本語を漢字から解釈するのは間違いです。音が先で、あとから縁起の良い文字を持ってくるのが日本語の造語法です。
少なくとも1603年刊行の『邦訳日葡辞書』(岩波書店)には「愛」はありません。「愛する」もありません。
やはり「情」でしょうか、佐伯さん(帝塚山学院)の文章(朝日新聞社「元禄時代がわかる」)をご参照下さい。

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