Monday, September 5, 2011

田北真樹子

南アジアに日本外交の比重をもっと置いてもらいたい。この地域には人口、頭脳、資源があり、経済成長の潜在性が高い。何よりも、対日感情が極めて良い。南アジアを味方に付けておくことは、将来、日本のためになるのは間違いない。中国対策もその一つではあるが、それ以上の見返りが期待できる地域だ。
もちろん、日本の存在感はそれなりにある。だって、南アジアは日本の支援を受けている一大地域なのだから。アフガニスタンは50億ドル、パキスタンは10億ドルの支援を受けているほか、インドは政府開発援助(ODA)の最大の受益国だ。スリランカなどほかの国への支援規模も小さくない。
だが、「日本はどうして外交力を行使しないのか。大金を出しながら黙っているのはお人よしだ」との声を、パキスタン、アフガニスタン、スリランカで耳にするのはなぜか。やはり、金額に見合った影響力を行使できていないからではないか。日本にもっと重要なプレーヤーになってほしいという人がこの地域にはたくさんいる。

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