平和=理想、戦争=現実という二分法は現実ではありません。平和を作るのは面倒で、妥協と強攻策を巧みについ分ける老獪な交渉術を要する、たいへんに高度な政治的技術が要求されるのです。たとえば、ソマリアの"ソマリランド"では流通する銃を回収するため現地有力者全員を回って交渉して回収を成功させたり、尖閣諸島の領土問題を棚上げにして日中平和友好条約(1978年)を締結したり、あるいは紛争終結直後の選挙でかえって民族分断を深めてしまったりと、平和の実現は一筋縄ではいきません。
戦争と平和について考えるのであれば、平和を作ることがいかに大変で面倒であるかを知った上で、考えて欲しいものです。
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