光速は、光が伝播する速さのことで、真空中で秒速299 792 458 m/s。地球から太陽まで約8分20秒、月までは2秒弱。1秒間に地球を7回半回る速さと表現される。一般に、あらゆる情報や物質は、真空中の光速よりも速く伝播することは不可能であるとされている。しかし、光速よりも大きな速度が出現する物理的状況というのは数多く存在する。
土中ではそもそも光は通らない。水中でも光は強く水に吸収されるため、100m先も見通せない。それに対して、音は水中では空中よりはるかに速く伝達する。空気中での音の伝達速度は秒速340m程度だが、水中では1500m近く、氷中では
3230 m近くに達し、土中ではさらに速い。
音速は、物質中を伝わる音の速さのこと。 物質自体が振動することで伝わるため、物質の種類により決まる物性値の一種である。
反響定位とは、動物が自分が発した音が何かにぶつかって返ってきたものを受信し、それによってぶつかってきたものの距離を知ることである。それぞれの方向からの反響を受信すれば、そこから周囲のものの位置関係、それに対する自分の位置を知ることができる。したがって、音による感受法でありながら、一般の聴覚よりも、むしろ視覚に近い役割を担っている。
ReplyDelete一般に、周囲の位置関係を知ることは、動物が動きながら餌を求める限り、最も重要な感覚である。光は伝達速度が速く、到達距離が長く、波長が短いので、多量の情報を素早く遠くに伝えるには適している。それにもかかわらず音がそれに代わって用いられるのは、光が利用できない条件下である。
土中ではそもそも光は通らない。水中でも光は強く水に吸収されるため、100m先も見通せない。それに対して、音は水中では空中よりはるかに速く伝達する。空気中での音の伝達速度は秒速340m程度だが、水中では1500m近くに達し、土中ではさらに速い。
したがって、水中で、ある程度以上の遠くを見通す必要があれば、光は役に立たず、音波のほうがはるかに有効である。人間が海洋で水深を測定するときも、音波が利用される。また、魚群探知機も、音波の反射によって魚の群れの位置を探す装置であり、その原理は反響定位そのものである。
コウモリ類には大きく2つの群があるが、大型で果実食のオオコウモリ類は大きな目を持ち、視覚にたよって生活する。反響定位を用いるのは、小型で昆虫食が中心の小型コウモリ類の方である。
小型コウモリ類は目がごく小さく、耳は薄くて大きい。多くのものは空を飛びながら、飛んでいる昆虫を空中で捕獲して生活している。高速で空中を飛ぶものや、木の枝の間をひらひらと飛びながら虫を探すものもいるが、いずれの場合も反響定位にたよって飛行する。
コウモリは口から間欠的に超音波の領域の音を発して、それによってまわりの木の枝や、虫の位置を知る。虫を捕らえる直前は、音を発する頻度が高くなる。
夜行性の鳥にも、反響定位を行うものがある。
水中では、一部のクジラ類が反響定位を行うことが知られている。音波の受信は、眼の後方にある耳孔ではなく下顎骨を用いて行い、ここから骨伝導で内耳に伝えられる。クリック音と言われる超音波を発し、これによって反響定位や、仲間との交信を行っている。一説によれば、1,000km離れた仲間ともやり取りできるとも言われる。