Saturday, January 5, 2013

竹中勝信

John Snow博士は、19世紀にロンドンにいたお医者さんで、コレラの発生源を疫学的に調査して、感染の拡大を食い止めた人である。疫学は、彼に始まるとも言われているくらいである。この当時、ロンドンの下町などは衛生状態がすごく悪く、劣悪な住宅環境で、一つの社会問題ないし環境問題でもあった。そういう時に発生したコレラであるが、この頃はまだコレラ菌は発見されておらず、博士は、社会調査的な手法で、コレラの発生源が、飲み水として利用されている井戸水だとつきとめたのである。その時期は1788年である。当時、ロンドンには、至る所に井戸が掘られていて、ポンプで汲み上げて使われ、同時に、汚物などの下水も、道端とか側溝に垂れ流し状態だったので、そういう廃水が井戸水に侵入し汚染したらしいのである。テムズ川から取水する上水道もあったようであるが、そのテムズ川もものすごく汚濁されていたのである。とにかく、下水道と上水道をはっきり分離する対策が必要だったのである。日本では19世紀になってコレラが流行したが、明治期に近代的な上水道建設の要望が出てきたのは、コレラ発生のためだったようである。産業革命を経て、近代的な都市ができてくるにしたがって、こういう都市環境の問題も起きるようになった。

2 comments:

  1. Snow博士は、コレラの原因がブロード街の中央にある手押し井戸であると判断した。手押井戸レバーを取り外すことでコレラが収束した。その後の調査によると肥料に用いるために備え付けられていた汚水溜めに1854年8月末に最初の患者の糞便が混入したこと、汚水溜めと問題の井戸が90cmしか離れていなかったことがわかった。

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  2. 諸外国における小規模水道事業の現状と課題

    by 竹中勝信

    http://www.jwrc-net.or.jp/aswin/projects-activities/pdf_Usa_Ca/usa-outline_first.pdf

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