「神が見えなかった」。ガガーリンは人工衛星から天上の世界を垣間見たが、「神」には出会わなかったというのだ。これは、宗教を弾圧した無神論の国ソ連のイデオロギーと結びつく形で流布していった。
前出の著書(ガガーリンの著書「宇宙への道」)には「多くの人に空の上で神を見たかと尋ねられた。私の答えは人々をがっかりさせ、彼らの信仰を揺るがすことになった」とある。ただ、フィラトワさん(英雄の姪で、ガガーリン記念博物館の館長タマーラ・フィラトワさん)は、これはガガーリンの気持ちを表したものでないと断言する。「叔父は洗礼を受けていたし信心深かった」。世間に広まるイメージとは全く逆の英雄の心の内を強調した。
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