Thursday, September 13, 2012

八木俊亜

かつての奴隷たちは、奴隷船につながれて新大陸へと運ばれた。超満員の通勤電車のほうが、もっと非人間的ではないのか。
現代の無数のサラリーマンたちは、あらゆる意味で、奴隷的である。金にかわれている。時間で縛られている。上司に逆らえない。賃金も一方的に決められる。ほとんどわずかの金しかもらえない。それと欲望すらも広告によってコントロールされている。
労働の奴隷たちはそれでも家族と食事をする時間がもてたはずなのに。

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  1. 1990年4月に発覚した、労働省の業務上労災認定実務のためのマニュアル(1988年1月作成)によれば、この認定基準の実際の運用にあたって「業務上」と認定されるケースは、1. 発症当日の業務量が日常業務の3倍であること、2. 発症前1週間に1日の休みもなく日常業務の2倍働いたことであり、3. 直前1週間に1日でも休んでいればたとえ他の6日が日常業務の2倍でも「業務外」として扱い労災とは認定しない、というものであった。ちなみに、このマニュアルは、マスコミ報道で初めて暴露されたもので、労働省は当初その存在を否定し、発覚1か月後にようやく省内の全国職業病認定担当者会議で配布したものであることを認めた。

    1990年4月の東京中央労働基準監督署の決定では、このマニュアルが忠実に適用された。1987年2月に、43歳の総合広告代理店「創芸」副部長八木俊亜氏が、平日残業のほか死亡直前の土曜・日曜も自宅で7時間もワープロをたたいて企画書をつくり、水曜日に急性心筋梗塞により倒れた過労死の例は、「1日3-4時間、週25時間程度の残業では、過重な業務といえない」「休日に自宅でも働いていたという事実は、妻の証言のみで認定できない」と、マニュアル通りの解釈で労災が認められなかった。

    八木氏の手帳には、上記の文章が残され、現代日本の「奴隷労働」を告発していた。

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