Thursday, July 26, 2012

本間毅

Koboのサービスは19日午後3時に正式スタートする予定でしたが、大きなミスを犯してしまいました。専用PCアプリ「Kobo Desktop」のダウンロードサイトにお客様がアクセスできる状態になったのが、正式スタートより前だったのです。最終テスト・調整が完了する前のアプリをお客様がダウンロードされ、アクティベーションできないなど問題が発生しました。
端末にプリインストールされる「青空文庫」のサンプルファイルが、最初のページと最後のページしかない不完全なものだったり、表示に不具合が起きたりしていたのは、ダウンロードいただいたアプリが最終版でなかったため。また、Windowsの特定のバージョンで、ユーザー名にかなや漢字を使っていた場合、エラーが出てKobo Desktopをインストールできない問題も起きました。
アクティベーションや同期のための回線もひっ迫しました。発売に合わせ、かなり増強していたつもりでしたが、多くの方の利用が集中し、予想以上の負荷がかかって、楽天IDでのログインやデータの同期がうまくいかないことがありました。何度もアクティベーションに挑戦され、うまくいかないまま時間を無駄にされてしまった方もいらっしゃいます。サポート情報を提供するコールセンターも電話がつながりにくく、お待たせしてしまいました。我々のミスです。申し訳ありません。

2 comments:

  1. ITmediaニュース

    「大きなミスを犯してしまった」――楽天koboに何が起きたのか

    http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1207/25/news106.html

    楽天子会社のカナダKoboが7月19日に発売した電子書籍端末「kobo Touch」。7980円という挑戦的な価格が話題を呼び、三木谷浩史社長が店頭でトップセールスするなど鳴り物入りで登場したが、発売当日に手に入れたユーザーの一部は、「アクティベーションできない」「電子書籍が正常に表示されない」など不具合に悩んだ。楽天の直販サイトの端末レビュー欄には批判が殺到し、炎上状態になった。

    一連の問題はなぜ起きたのか。楽天は、問題にどう対処していくのか。そして、直販サイトのレビューが閲覧できない状態になったのはなぜか――楽天デジタルコンテンツ推進室の本間毅執行役員に真相を聞いた。

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  2. 問題発生を受け、日本とカナダのKobo本社は24時間体制で問題を持ち寄り、解決に当たっています。これまでに分かっている不具合は、すでに提供済みのデスクトップアプリ3.0.2で解決しています。コールセンターの対応時間も、24時間に延長しました。コールセンターには現場の社員を派遣し、情報がスムーズに伝わるよう努力していますが、緊急対応だったのでクオリティーが不十分と認識しています。改善中です。

    発売までのスピードを重視したのは事実ですが、大事なプロセスはすっ飛ばしたわけではありません。事前の検証は十分にやっていたつもりでした。ハードウェアの製造についてはカナダのノウハウが、サプライチェーンは楽天グループの経験があり、不安はありませんでした。

    ですが、日本語対応、日本語組版で縦書き、かつEPUB3に合わせていくことに困難が伴いました。Koboのファームウェアはほかの国でも提供しており、日本語特有の問題を除いては、問題なく利用できるものでしたが、振り返ってみると、すべてにおいて、日本語特有の問題がありました。

    日本語書籍の点数は、出版社との関係をベースにはじき出したもので、水増ししようとしたわけではありません。日々追加しており、実際にその数字に近づいています。7月中には必ず、3万タイトルに到達します。

    ラインアップをそろえるのに時間がかかったのは、日本で初めてEPUB3を全面採用したためでした。既存のファイルフォーマットなら既存のファイルを流用できたのですが、ファイルを新たにEPUB3に作り直す必要があり、当初契約できた書籍数と、リリースまでに間に合ったもの間にギャップが出てしまいました。現在も、チェックを待っている状態のものが数千冊の単位で存在します。

    kobo Touchをきちんとした状況でご提供しない中で生まれた混乱は100%われわれの責任ですが、さまざまなレビューが書かれました。「期待を裏切られた」というお怒りの声もいただいており、レビューがレビューとして機能しなくなっていました。良いこと、悪いこと含め、あるべき姿を参考にしていただくのがレビューですが、不完全な状態からスタートしたkobo Touchのレビューの場合、かえって誤解を招くのではないかと判断しました。

    混乱を避けるため、いったん状況を正常化させていただいてから、レビューを再開したいと考えています。レビューを非表示にしたのは緊急の一時的な措置で、投稿されたレビューの削除は考えていません。kobo Touchは大変インパクトの大きい商品。そのインパクトの大きさから特例中の特例として、今回はやむを得ず、非表示にしました。レビューを非表示にしたのは、楽天史上初です。

    現在、アプリや端末の基本的な不具合は解消しています。過去のレビューについて、近く再表示する予定です。

    デスクトップアプリをインストールし、アクティベーションしてしまえば、ネットにアクセスでき、ヘルプなどを参照していただけると考えていましたが、インストールやアクティベーションでつまづくと想定していませんでした。ヘルプが分かりにくいという声も届いており、ヘルプページを写真付きで作り直しましたが、そういったものは先回りして用意すべきでした。マニュアルを印刷し、本体に同梱することも検討していますが、それでも不十分という思いがあり、やり方を検討したいと思っています。

    E Inkのパネル自体は、KindleやSony Readerなど他社と同じで、使い勝手に遜色はないと思っています。kobo Touchは世界で使われており、ユーザーインタフェースは世界共通なので、こなれているはずだと思っていますが、分かりづらいという声もいただいており、改善が必要と判断すれば対応します。

    パッケージの箱が開けづらい点も改善ポイントと認識しています。パッケージは上げ底になっており、上に本体、下にUSBケーブルや手順書が入っているのですが、上げ底に気づかないお客様もいらっしゃることが分かり、上げ底であると説明する紙を封入してアピールするようにしました。

    一連の問題について、ハード販売に不慣れだったからとか、経験がなかったからと言い訳するつもりはありません。各方面からサポートをいただきましたし、経験のなさは認めながらも、どうすればベストの状況にできるかを力を入れてやっていきます。

    販売台数は公開できませんが、多くのお客様にご期待いただいていると実感できる台数です。これから市場を作っていけると手応えを感じています。ゆえに、一連の出来事については、大きな責任を感じております。

    いろいろなご批判をいただいており、お客様の声を真摯(しんし)にうかがいたいと思っています。スタッフが自らコールセンターに足を運んだり、ネットのご意見などを見て、フィードバックしています。最初におかけしたご迷惑を挽回できるとは思いませんが、よりよい体験をしていただけるよう、努力して参ります。

    楽天は顧客主義の会社ですが、今回はお客様にご迷惑おかけし、申し訳なく思っています。「バグを改善すればいい」とか、「マニュアルを作ればいい」にとどまることではありません。お客様の声をうかがい、優先順位を付けてどんどん改善していきます。セットアップや使い方の説明、コールセンターの改善、コンテンツの充実など、改善への努力をスピーディに行い、ご期待にお応えしていきたいです。

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